オリーブハマチの「生産現場」・香川県引田沖を訪ねて

この度、あなぶきホテルズのレストラン「日本料理 錦」・「ぐりる屋島」・「リーガダイニング&バー 時香」・「中国料理 桃花苑」のすべてのレストランが〔さぬきダイニング〕の認定を受けました。
これを記念し、あなぶきホテルズの料理長総勢6名が腕を振るう「特別メニュー」が企画されます。料理に共通する食材は、香川が誇るブランドハマチ「オリーブハマチ」に決定。「料理は素材の探究から」・・・この言葉を実行へ! 早速6名の料理長がオリーブハマチの「 生産現場」・香川県引田沖を目指しました。

とある夏の朝、薄雲り・凪の中を6名の料理長が引田港を出港。
生け簀までの案内は、オリーブハマチを手掛ける服部水産有限会社の服部社長自らが引き受けて下さいました。

静かな海を進むこと約30分間、料理長達と服部社長の間で早くも話が盛り上がる中で、目的の生け簀に到着。まず驚かされるのは、一辺23メートルというその大きさです。「生け簀の大きさは国内最大級だと思いますよ。深さは25mあり、一つの生け簀に約18,000匹入っています。何よりここ引田でのハマチ養殖には、この大きさが大事なんです!」とは、服部社長。

エアを使った給餌機での給餌は約1時間。給餌が始まった途端に生け簀内はハマチの立てる飛沫で一気に騒がしくなります。料理長達全員が海面に釘付け!それほどハマチの勢い・運動量には目を見張るものがあります。「オリーブハマチと呼ぶためには、出荷前に香川県特産のオリーブの葉の粉末が混ざった餌を20日間以上与えることが必要条件です。ただ、それはオリーブハマチへの仕上げであって、大切なのはハマチをそこまでどう育てるかなんですね。旨味のある良質な身を作るためには、良質で適量の給餌と運動が、何よりも重要なことなので。生け簀の大きさと深さもそのために必要なサイズなんです。」因みにハマチについては、太ってしまうと万一赤潮が発生した場合などに死にやすくなってしまうため、香川県から給餌は週2回までという制限がかかっているそうです。それでも、出荷時の金額のほぼ半分は餌代とのこと・・・大変なお仕事です。

陸に上がってからの試食用に、給餌中の騒がしい生け簀から2本のハマチを揚げる時は、船上は料理長達も含めて本日一番の盛り上がり。もちろんその場で活け締めにして、氷水へ。

そうこうしているうちに予定量の給餌が終わり、生け簀は一気に静かになります。「急に静かになったでしょう。でも、給餌直後の今は、水深約10m辺りを激しく回転してるんですよ。その後は大体20m以上の深いところにいるかな。」さすがはハマチを知り尽くした服部社長。出荷が近くなって魚体が大きくなるとハマチが作る渦で生け簀内の網底を持ち上げている大きな浮きが海中に沈むこともあるそうです。また、同じ引田でも生け簀を設置する場所・漁場によって魚体の色・大きさ・味にも変化があり、そこは毎年くじ引きで決定するとのこと。幾つもの難しい課題と向き合いながら高いレベルでの安定した味の実現が、服部社長の腕の見せ所なんですね。

港への帰路に桃花苑・浦松料理長から今回の企画料理について興味深い話がありましたよ。「あくまで一般論だけどハマチという食材の特長を考えると、刺身が一番旨いという見えない壁みたいなモノがあるよね。でも、僕が今考えているのは、中国料理の調理技術を使って刺身の旨さを超えるビックリするような料理が出来ないかなってこと。もしかしたら、料理長全員が同じ事を考えてるかもしれないね。(笑)」・・・最高の食材から生まれる6つの極味、本当に楽しみです。

帰港後、ハマチ・カンパチ・真鯛等の放流魚釣りで知られる「安戸池」にある食事処・ワーサンに場所を移して、先程船上で活け締めにしたハマチの試食です。服部社長と料理長全員が見守る中、慣れた手つきで時香・谷澤料理長が冊におろしながら「この時期だけど、身が締まってるわりには脂も十分のってるよ。血合いの色もキレイだし、いいハマチだね!」と発すると、それが合図のように全員でハマチ談議開始。

盛り付けが終わっての試食では「甘いね!」・「身がコリコリ」・「すごくサッパリしてる。」・「臭みもない。」等々の言葉が次々と・・・「活け締めと血抜き時間も味を左右する重要なポイントなんです。出荷が始まった時には、最高のオリーブハマチを最高の状態でお届けしますよ。楽しみにしていてください!」服部社長の頼もしい言葉で聖地視察&試食会は、お開きとなりました。

9月の中旬からあなぶきホテルズの各レストランで、最高のオリーブハマチを使った至高の創意と至福の味わいがお愉しみいただけます。どうぞ、ご期待ください。

あなぶきホテルズ・料理長/〔日本料理 錦〕恵比須料理長 〔ぐりる屋島〕西洋料理/松原料理長・日本料理/岡本料理長 〔リーガダイニング&バー 時香〕西洋料理/櫻又料理長・日本料理/谷澤料理長 〔中国料理 桃花苑〕浦松料理長

オリーブハマチへの想いと情熱

今回の企画取材をお受けいただき、全面的にご協力をいただいた服部水産有限会社・代表取締役 服部秀俊氏にお話を伺いました。

Q1. オリーブハマチが生まれた経緯を教えてください。

県魚でもあるハマチ養殖の発祥地は、ここ香川県なんです。ご存じでしたか?平成20年が、世界で初めてハマチ養殖の事業化に成功した野網和三郎の生誕100年、ハマチ養殖80周年の節目の年であったことから、それに先駆ける形で香川県と関係団体が一緒になって記念事業を実施したんですが、その中で「ブランドハマチ」の創出等を目的に製品向上研究会が設立されたこと、これがオリーブハマチ誕生の契機です。そこで研究会がブランドハマチをつくるにあたって掲げた3つのテーマが、①高品質なハマチの産出 ②香川県の特色を生かした商品開発 ③県内生産者に広く普及できる技術確立の3点でした。研究会では、ハマチにポリフェノール成分の入った餌を与え、食材として長持ちする(酸化を抑える)肉質に改善している事例を参考に①〜③の要件を満たすものを検討しました。その結果、県花・県木であるオリーブの持つパワーに注目し、ポリフェノールを多分に含むその葉を餌に混ぜることを考案しました。県魚でもあるハマチと県花・県木であるオリーブのコラボレーション!これほど香川ブランドとして素晴らしい物はないと思いましたよ。ただし、現実にオリーブ葉入りの飼料を与えた場合、ハマチの成長に影響がないのか?期待した効果が得られるのか?などの解決しなければならない課題も多くありました。課題解決に向けた試験は、平成19年10月30日〜12月10日にかけて庵治地区嶋野氏の協力の下、実際に養殖している6,000尾を用いて行われました。嬉しいことに、その結果は大成功!記念事業実行委員会主催のブランドハマチ試食会にも出品し、高い評価を得ることができました。さらに平成20年には、飼料の適正添加量試験、効能の持続性試験等が行われ、香川県・関係団体・生産者が一丸となった技術開発のもと「オリーブハマチ養殖」の実施に至りました。これが、オリーブハマチ誕生の経緯です。

Q2. オリーブハマチの美味しさとは?

何よりもサシが入る程の十分な脂がのっていながら、甘くサッパリとした味わいが特長です。臭みもなく歯ごたえのある食感もオリーブハマチ独特の美味しさですね。育成の仕上げに与えるオリーブ餌に含まれるポリフェノールが魚体内でアミノ酸生成を促進し、良質な肉質に変化させる事が、その最大の理由です。また、ハマチの味は餌によって大きく左右されます。そのため様々なものを食べる天然物は、どうしても味が安定しません。天然物と比較するとよく分かるのですが、高いレベルでの安定した味もオリーブハマチならではのものです。ただ、この安定した味というのも養殖ハマチすべてに共通するものではありません。生け簀の設置場所や潮流・水温・水質によっても大きく変化します。基準とする味を超えての安定供給。それが生産者として絶対に必要な技術だと思っています。

Q3. オリーブハマチ養殖にあたってのご苦労等がありましたら、お聞かせくださいませんか。

オリーブハマチをはじめてからであれば、甚大な被害をもたらすような大きな赤潮も出ていませんし、養殖システム自体はある程度完成されていますので、養殖自体は順調と言えば順調です。ただ、養殖業というのは投資産業ですからね。日々の投資の中には、目に見えるところでは船舶や生け簀等の設備もあればそのメンテナンスもありますが、今日見ていただいた通り、主な投資は、ハマチへ与える餌なんです。仕上げのオリーブ添加の専用餌も含めこの餌にかかる経費がかなり膨大なもので、出荷価格の約半分が餌代と考えていただければ、分かりやすいんじゃないですか。 ここ数年で、徐々にオリーブハマチの知名度は上がってきていますが、まだまだ揺るがぬブランドとまでには至っていません。自由市場の中ではどうしても、まだ通常のハマチ価格に引っ張られているのが、今の悩みであり苦労と言えば苦労ですね。地元はもちろん全国で、「ハマチはオリーブハマチじゃないと!・・・」と言ってくれるお客さまをもっともっと増やしていきたい。味にも品質にも絶対の自信を持っているからこそ、機会があれば逃さず告知していきたいですし、ひとりでも多くの方にオリーブハマチの美味しさを知ってもらいたいです。市場の中でも徐々に扱い量は増えてきています。量販店・飲食店、どこでも皆さまの機会にオリーブハマチの文字が目に入りましたら、ご自身でぜひ一度、お試しください。その時、オリーブハマチの美味しさで皆さまの笑顔を作れたなら、生産者としてこれほどの幸せはありません。

Anabuki HOTELS 料理人×オリーブハマチ Olive Hamachi
※9月15日以降オリーブハマチ入荷次第販売開始

素材を探求した6人の料理長が考案した「オリーブハマチメニュー」は、こちら。

高松国際ホテル ぐりる屋島 松原 勉料理長

【フランス料理】
三豊なすとトマトをまとったオリーブハマチ かめびし醤油と仁尾酢のソースで
ディナーハーフコース ¥4,600、Aコース¥5,800の一品

高松国際ホテル ぐりる屋島 岡本 一久料理長

【日本料理】
オリーブハマチの豆鼓焼き  
昼懐石 彩(いろどり)¥3,300、薫(かおる)¥4,600の一品[予約制]

高松国際ホテル ぐりる屋島 http://tkh.anabuki-enter.jp/restaurant/

リーガホテルゼスト高松 
リーガダイニング&バー時香 櫻又 治郎料理長

【フランス料理】
オリーブハマチのタルタル 仁尾酢と小豆島醤油のジュレ   
さぬきフレンチディナーハーフコース¥6,000、フルコース¥8,000の一品[予約制]

リーガホテルゼスト高松 
リーガダイニング&バー時香 谷澤 和博料理長

【日本料理】
オリーブハマチ お造り三昧~平造り/藁焼き/酢〆~    
夜懐石 時(とき)¥6,000、香(かおる)¥8,000の一品[予約制]

リーガホテルゼスト高松 リーガダイニング&バー時香  http://www.rihga-takamatsu.co.jp/restaurant/jikou/

リーガホテルゼスト高松 
中国料理 桃花苑 浦松 裕二料理長

【中華料理】
オリーブハマチの中国風お刺身サラダ 県産ガーリックと麻辣ソース和え
単品料理 ¥2,100 2~3名様

リーガホテルゼスト高松 中国料理 桃花苑
http://www.rihga-takamatsu.co.jp/restaurant/toukaen/

ロイヤルパークホテル高松 日本料理 錦  
恵比須 敏美料理長

【日本料理】
オリーブハマチ荒出汁釜めし あっさりレモンをしぼって
昼席 懐石コース  ¥4,000[予約制]

ロイヤルパークホテル高松 日本料理 錦 
http://ryl.anabuki-enter.jp/nishiki/